マルクス・アウレーリウス 「自省録」を読む
さて、今回は、「自省録」です。
著者のマルクス・アウレーリウスは、哲学者であり、ローマの皇帝でもありました。
後に、ストアの教えに影響され、人間性を追求しました。
ストア主義は、理性主義とも言い、感情からの解放を、
魂の最善の状態として希求します。
アウレーリウスも、瞑想のもとに、この「自省録」を記したようです。
ちなみに、訳者の神谷美恵子さんは、美智子皇后の相談役だったことでも、有名です。
「君が自分の義務を果すにあたって寒かろうと熱かろうと意に介すな。また眠が
足りていようと、人から悪くいわれようと誉められようと、まさに死に瀕して
いようとほかのことをしていようとかまうな。なぜなら死ぬということもまた
人生の行為の一つである。それゆえにこのことにおいてもやはり
『現在やっていることをよくやること』で足りるのである」
という言葉が載っています。聖書の「明日のことを想い煩うなかれ」というのと、
好一対の言葉だと思います。
「今」に集中することを薦めているのは、「禅」にも共通するところだと思います。
私が、興味を惹かれた言葉は、
「たとえ私と私の二人の子供が神々から見棄てられたとしても、これにもまた
道理があるのだ」という言葉です。
何と言う、「道理絶対主義」でしょう!「道理」は「正しい」
この観念を、私も持ち続けたいと思います。